AVGが900万人の顧客情報をハッカーの“目の前”に

ウィルス対策のプロが顧客情報を

衝撃的なニュースがネット上を駆け巡りました。オランダに拠点を置き、ウィルス対策ソフトの販売を世界規模で行なうAVG Technologies社の持つ、900万人もの顧客情報がハッカーの手に渡った可能性があるのです。同社が提供するGoogle Chromeアドオン“Web tuneup”は、不正なサイトからユーザーを守るためのものだったのですが、これが使用者のブラウズ履歴などの個人情報を“アクセス可能な状態”(その情報の獲得方法を知る人物であれば、容易にアクセス可能)にまでしていたことが判明しました。

インターネットへの疑念

問題は既に解決されましたが、約9百万人のユーザーのうち一体何人の情報が“ハッカーに公開”されたのかは分かっていません。AVGはこれに対し、市場の混乱を終結することを第一優先に据えたと語っています。この一件により、人々が心の底に抱えていた、インターネットに対する不安が露呈したものと思えます。特に、ウィルス対策を専門に扱う企業から個人情報が漏れたことが、「インターネットに安全な場所などないのではないか」という、どうしようもない感情を想起させてしまいます。インターネットを使用する際に、安全性など考えない人、さらに、何かしらのソフトウェアを使用していることで根拠の無い安心感に包まれている人にとっては、他人事ではないニュースでしょう。